( C’est une version japonaise de l’article « Le stress avec des visiteurs en chaussures».)
引っ越しで、複数の業者関係者が家に来る毎日。一応住める状態にはなりましたが、それでも小さな不備が沢山あるのがおフランス。シャワー室からお湯が漏れる、そもそもお湯が出ない(毎回ぬるま湯)、キッチンの電気が一部点かない、キッチンの家具の組み立てが終わっていない、など挙げればキリがありません。その度に、業者の人が来て、綺麗に掃除した我が家に土足で上がってきて作業する日々。そういう国に住んでいるのだから、それはそれで諦めないといけないことなのかもしれません。ですが、そう頭が理解しても、心が納得してくれず、毎回大きなストレスに見舞われています。
今回は、そんな神経質な私の心の叫びと、絞り出した数々のアイディアにお付き合いください。
目次 (Table des matières)
私は足の裏だけ潔癖症
フランスあるあるの、「手や体を頻繁に洗わない」に関しては全く抵抗なく受け入れている私ですが、この「土足文化」はどうしても受け入れらずにいます。子どもが生まれてから、その思いはより強くなりました。
小学生の頃は、裸足や靴下で校庭を走り回っていたのに、いつからか、足の裏が汚れるのを嫌うようになっていきました。これはフランス生活のせいではなく、歳のせいなのかもしれません。大人になってからは、夏場にあまりサンダルを履きません。理由は、サンダルに入る砂埃が気持ち悪いからです。どうも、あの足の裏が汚れている感覚に耐えられないのです。
ということで、私の足の裏の埃センサーはとても敏感で、自称「足の裏潔癖症」です。
「靴を脱ぐ」という概念がない人への抵抗
絶対に靴を脱がない(というか、脱がせる方が失礼な)人達が、業者の人達です。そんな人達を家に呼ばないといけない時は、ちょっとした仕掛けをして、その反応を楽しむようにしています。小さな抵抗ですが、とても憂鬱な来訪のストレスを少しでも軽減できるように、との思いから始めてみました。
主に、2つのことをよくやります。まず、家の外の玄関前に、わざわざ靴を出しておきます。そして、(出なくてもいいのに)わざわざ外に出て、私が玄関で靴を脱ぎ室内履きに履き替えるのを見せます。
面白いのは、これを見せられても、基本的にほとんどの人が、何の抵抗もなく土足で上がってくることです。中には、玄関先に置いておいた靴(おとり靴)が邪魔だと、足で蹴っ飛ばしてどかす人もいたくらいです。
業者関係者にはこんな人が多い中、ごく稀に、土足な事を配慮してくれる人もいます。時々、私が靴を脱ぐのを見て、その場で靴を脱いだり、「靴脱ごうか。」と聞いてきてくれる人もいます。また、私のエリアが担当の配達の女性は、家に上がる時は、なるべく靴拭きマットを出ないように、家の中に入って荷物を置いてくれます。私は、密かに彼女の大ファンです(笑)。
「来客」+「土足」=ダブルパンチ
そもそも一人が大好きな私は、人に会うだけで疲れます。しかも、癒しの空間の我が家に人が来るとなると、もうそれだけでストレスです。その上、土足で上がってきて、目の前で、家をどんどん汚されていくのを見るのは、相当なストレスです。
頭の中は、靴で汚されている床のことで一杯です。大体、「汚された床を歩いたクロックスを洗わないと。」、「床も水拭きしないと。」、「面倒臭いな。」と…思いながら、やり過ごしています。同じ所を(私は室内履きクロックスで)歩くのも少し気持ち悪いので、クロックスの中の私の足は軽く爪先立ちです(笑)。
家で靴を脱ぐ家の罠
フランスでも、靴を脱ぎスリッパに履き替える家庭も増えてきたような気がします。しかし、大きな理由はくつろぐ為で、清潔さにこだわっている人は少ない印象です。その為、家の床はあまり綺麗ではないことが多いというのが、私の偏見です。
そもそも、日本のようにわかりやすい玄関がないので(よく言えばバリアフリー)、ここらへんで靴を脱ぐと言う感じで、靴で歩いた所をスリッパで歩くのは当たり前です。柔軟性のある日本人のお友達は、これはもう受け入れていますが、私は、これがもうとっても気持ち悪いのです。
また、スリッパでちょっとそこまで(外に)行ったり、靴を履いたのにそのまま忘れ物を取りに家に入ることに抵抗がない人も沢山います。
極め付けは、お客さんに対して、「靴脱いでも脱がなくてもいいよ」というスタイル。普段から靴脱ぐスタイルの家主は、土足の人がいてもお構いなしに自分は靴を脱ぎます。また、少人数のお客さんなら靴を脱いでもらうけど、大人数の時は脱がなくてもいいというスタイルの場合も。
簡単にまとめると、靴を脱ぐスタイルの家でも、ある程度の土足は許容範囲、というのが暗黙の了解のような気がします。
お邪魔するときはスリッパ持参
ということで、フランスでは、自分の家もですが、人の家の床もたいして綺麗ではないというのが私の偏見です。なので、お呼ばれした時は、私はスリッパを持って行くようにしています。気にしている人はいないと思いますが、外行き用のスリッパは定期的に綺麗にして、一応敬意は払っています。
解決策
諦め→念入り掃除→自分にご褒美
業者関係の人は、基本的に仕事靴で、家に出たり入ったりを繰り返します。なので、業者の人が来る時は、数日前から憂鬱ですが、諦めて、後で念入りに掃除をするということで折り合いをつけています。
それでも、それだけだと納得がいかないので、そんな日は、軽い暴飲暴食を自分に許しています。お酒は飲めないので、甘いソフトドリンクとポテチやサラミ(飲めない辛党です)で、ストレス発散です。また、「人疲れ」と「掃除疲れ」対策として、一人時間は絶対に確保するようにしています。
シャワーキャップをつけてもらう
仕事靴でもなく、重いものを持っての作業でもない場合は、シャワーキャップ作戦で乗り切ったこともあります。
以前、アルの骨折で、毎日看護師さんが注射をしに家に来ていた時期がありました。注射をするだけのたった5分の滞在でしたが、看護師さんが靴で入ってくるリビングが、私とみみちゃんの寝室でした。どうしても土足が耐えられなかったので、この折衷案を提案すると、受け入れてくれました。
靴を脱ぐ事に抵抗がある人の場合は、シャワーキャップを付けてもらうのも手かもしれません。
全室のドアを閉める
業者の人が作業する部屋が決まっている場合は、必要のない部屋のドアは閉めるようにしています。これで、土足でウロウロされる部屋を減らし、念入り掃除をしないといけない部屋を少なくする目的です。
ドアの無い場所は、あるものでバリアを作り乗り切りました。
ソファーを運び込んでもらった時は、リビングとダイニングの間にベビーサークルを置きました。リビングで作業をするスペースを確保しながらも、ダイニングを土足で歩かれるのを阻止しました。
また、インターネット回線の設置の時には、引っ越し用の段ボールを、寝室のドアの無い部分に積み重ねました。屋根裏に行くのに寝室は関係ないので、寝室を汚されるのを回避しました。
室内履きはクロックス
家では何も履かずに、素足で過ごしているお友達もいます。ちっちはその時の気分で、素足だったりサンダルを履いたりしていますが、私は絶対に室内履きで過ごします。というのも、普通に土足で家の中を歩いているのを何度も見ているうちに、フランスの家の中を素足で歩くのが気持ち悪くなってしまったからです。
昔は我が家もスリッパでしたが、今ではアルもちっちもクロックスです。クロックスのいい所は、水で洗ってもすぐ乾くところ。スリッパだと洗っても乾くまでにとても時間がかかり、乾かしている間は家の中を素足で歩かなければならず、とてもストレスを感じていました。そして辿り着いたのが、クロックスを室内履きにすることでした。
もちろん、乾かす間の数分間はソファーで休憩です。
まとめ
もともと潔癖症とは程遠かった私ですが、フランスの靴社会を見てから、当たり前だった日本の清潔さに気づくようになりました。今では、私が一時帰国するたびにスーツケースを丸ごと拭く母の行動が理解できるようになりました。それと同時に、そんな国とは正反対の衛生観念の国で暮らすストレスを感じています。
「郷に入りては郷に従え」ということで、フランスの文化を受け入れつつも、なるべく感じるストレスを軽減できるように試行錯誤しながら、海外生活を楽しめるようにしていきたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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