フランスのアルザス地方は、ライン川を超えるとドイツという地理にあります。
もう検問もなく、簡単にドイツに渡れる環境にあるのに、ドイツ語独学初心者の私は、中々重い腰をあげられませんでした。
ところがある日、買い出し帰りの車中で、子供達がマックをお昼に食べたいと言い出したのがきっかけで、ドイツまで行くことになりました。
というのも、多くのフランス人の友達が、「マックはドイツの方が美味しい!ポテトも熱々で」と言っていたからです。ちなみに、フランスのマックのポテトは、日本だったら廃棄なのではないかというくらいにぬるいです。
そうと決まったら、怖気付いていた私も、しっかりとドイツ語で話しかけると覚悟を決めました。
10年以上前にフランスに来た時は、注文はカウンターでした。
マックでもフランス語の練習ができて、当時の私は毎回緊張しながらもワクワクでしたが、時は流れ、カウンターでの注文はフランスもドイツもなくなってしまいました。
ファストフード店での注文は、初心者にはハードルが低く、私は気軽に語学の練習をする場所のひとつでした。
時代が便利になると、自分で勇気を出してコミュニケーションを取らなくても、欲しいものが手に入るようになってしまって、語学勉強オタクの私には物足りません。
それでも、ドイツ語の注文画面で全部の単語の意味はわからなくとも、なんとなく意味がわかり、夫に聞かれた単語も訳せて、一人で孤独に勉強してきたことも、意味があったのだなと嬉しくなりました。
それでも、ドイツ語でコミュニケーションを取りたい私には、やっぱり機械での注文は物足りない。
そこにちょうどよく、子供達が飾ってある風船が欲しいと言い出しました。
スマホで風船の単語を確認し、手の空いている店員さんを見つけ、拙いドイツ語で「風船をひとつ取ってもいいですか。」と聞くと、子供達を見て、「2つでもいいよ」と言われ、持って来てくれました。
また、娘が落ちているヘアピンを指して、隣の席の女の子のものだと言い出しました。
話しかけるきっかけをもらえてウキウキの私は、今度は隣の席の人にも拙いドイツ語で、「すいません、これあなたのですか。」と話しかけました。すると、本当にその女の子のものだったようで、「ありがとう」と返ってきました。
些細なことですが、こういった外国語でコミュニケーションが取れたという小さな成功体験が、大きなモチベーションになります。
普段はコミュ障な私も、語学オタクモードになると、とにかく話しかけたくなります。
小さな質問など、話しかけるきっかけを探し、それが見つかると、まずは知ってる単語を駆使して、頭の中で文章を組み立ててみる。その文章を頭の中で何回か繰り返したら、話しかけやすそうな人を探して、話しかける。
この、辞書を使わずに、自分の知っている単語だけを使って、その状況に応じた文章を作るという能動的な作業が、脳を刺激しているような気がします。
話しかけられたら1点、質問が相手に伝わったら2点、相手の返答が理解できたら3点、もうワンターン会話ができたら4点。
点数をつけたことはありませんが、会話が続くと、まるで点数がどんどんアップしていくかのような高揚感と達成感に包まれます。
私は、この高揚感と達成感の中毒で、語学オタクになっているのだと思います。
マックを食べられて、ドイツ語の実践が出来て、さらに副産物までありました。
ドイツ語でコミュニケーションを取る私を見ていた長女が、ドイツ語に少し興味を持って、家に帰ってから「これはドイツ語で何ていうの?」と聞いてきたのです。娘の知的好奇心を刺激できていたなら、何よりです。
今は独学ですが、いつか「子供のドイツ語レッスン費」の名目で、夫に私のレッスン代も払ってもらえないかと、腹黒い野望まで芽生えてきました。笑
ということで、知っている外国語が聞こえてきたら、話すきっかけを探して話しかけるという、ちょっとウザい外国人になるのが(相手が迷惑そうだったら、すぐに次に行きます)、私の語学実践方法(アウトプット版)です。語学力と精神力が鍛えられます!