( C’est une version japonaise de l’article « Une tentative du pickpocket au marché de Noël (les détails) ».)
今回も前回に引き続き、クリスマスマーケットで起こったスリ未遂です。今回は、どんな流れだったのかを書いていこうと思います。
スリをする人をこんなに間近で見ることもないので、一部始終を書いておこうと思います。
状況をイメージしやすいように、色々と具体的に書きますが、あくまで私の経験した話です。人種差別などの意図はありませんので、ご了承ください。
スリ未遂の一部始終
クリスマスマーケットが始まった平日の夕方。この日は、写真の印刷をするために街に出掛けました。
毎年この時期は、クリスマスマーケットで人が多く、ちょっとした用事を街の中心地で済ませるのには不便な時期です。
私は、娘ちっちをヒップシートに乗せて、リュックを背負って歩いていました。リュックには娘の食べ物が入っていただけでした。
ちょっと前に、クリスマスマーケットで上着のポケットに携帯電話を入れていたらなくなってしまったという話を聞いていたので、上着のポケットにもリュックにも貴重品は入れていませんでした。
特に何もない通りを歩いている時のこと。ちっちが何かを指差し、「あっ!あっ!あっ!」と言っています。これはいつもの光景で、自分の知っているものが目に入ると、こうやって教えてくれるのです。
でも、この時は特に何を指さしているのかがわかりませんでした。「何が見えたのかな?」と周りを見ても、何を伝えたいのかがわからずにいた私。それでもしつこく、ちっちは何かを指さしながら「あっ!あっ!あっ!」と伝えてきます。
そこで、後ろを振り向くことにしました。
するとそこには、ありえない距離感で(小さく前へならえくらい)私の真後ろに、アラブ系の男が一人ピッタリとくっついていました。人がまばらなその通りでは不自然な近さです。近すぎて、すぐにはそのことに気づかなかったくらいです。
いつからつけられていたのかは全くわかりません。気配は全く感じませんでした。
そのアラブ系の男の一歩斜め後ろには、ニットをかぶった白人の男が一人。友達同士のような楽しそうな雰囲気はありませんでした。でも他人同士といった感じでもない。この2人がグルなのは明らかです。
ちっちの警告で私が振り向いても、アラブ系の男は全く慌てる様子はありませんでした。その隣にいる白人の男も然り。まさかのスリの真っ只中にターゲットが気づいてもです。常習犯なのだろうなという印象です。
リュックを狙っていたのか上着のポケットを狙っていたのかも、定かではありません。どちらにも手が届く距離のところにいました。
実行犯のアラブ系の男は、私と目が合うと、笑って「ニーハオ」とだけ言いました。白人の男は終始無表情。
この状況には違和感しか感じられませんでしたが、咄嗟には何の行動もできませんでした。恐怖心からというよりは、予想外すぎる出来事に、頭が全く回転せず、ポカンとしているだけという感じです。
本来なら、ポケットとリュックをその場ですぐにチェックするべきなのかもしれません。でも私の頭の中は、とりあえずその2人組の男たちから離れようとするだけで精一杯でした。
そして、反対側の道まで歩きました。
娘を抱っこしていて自由に動けない身としては、とにかくスリの男たちから離れることが最優先だと判断したのかもしれません。正直なところ、思考回路が全く機能していなかったので、無意識の行動でした。
このスリの男たちが、すぐに諦めてくれたのは幸いでした。この思考停止中に、しつこく尾行されてしまっていたら、パニックになっていたような気がします。
1人のターゲットに固執しない。またすぐに次のターゲットが現れるから、波風を立てずにすぐに退散する。これもまた、常習犯の心得なのかもしれません。
スリの男たちが付いて来ないことがわかると、少し冷静になれました。
そして、その反対側の道から、その2人の男を歩きながら観察しました。むこうも、私から見られていることはわかっていたことでしょう。
しかし、慌てて走り出すことも、もう用が済んだと引き返すこともありませんでした。ただ、2人で並んで何事もなかったように歩いているだけ。
見事に街に溶け込んでいました。この2人の男たちが、たった今、スリを働いていたとは、誰も思わなかったことでしょう。
そして、路面電車が通過した後に、その男たちの姿は消えていました。
私が警戒して何度も反対側の道にいる男たちを見ていたので、堂々と振る舞い、路面電車がこちら側からの視界を遮った時を狙って、横道に入っていったのだと思います。
もしかしたら、逃走ルートも考えてあったのかもしれません。
そして、また別のターゲットを探しにでも行ったのでしょう。
こうして、初めてのスリ体験は、幸いにも、誰も怪我することなく、何も盗られることなく、幕を閉じました。
まとめ
まさか自分がスリに合う(厳密には未遂)とは思ってもみませんでした。平日で人も少なく、通い慣れた街ということで、警戒心が薄れていたのだと思います。
そして、こんなに何も感じずにスリの被害に遭うものなのかと、驚いています。無防備な自分に気付けなかった悔しさもありますが、娘を連れている時は注意力が散漫になるということがわかり、いい経験ができました。
今後の対策もみえてきました。貴重品は鞄やポケットではなく、直接身につける。子連れの時は特にそれを徹底する。
そして、娘を連れて人が多い場所に行かないといけない時は、なるべく一人ではなく数人で行く。友達に声を掛けたり、娘を義理の家族にお願いしたりするなど、人混みに1人で子連れという状況にならないようにしたいと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
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