名詞の複数形の作り方(合成語)

合成語とは、「un arc-en-ciel」(虹)のように、トレデュニオン(- : un trait d’union)と呼ばれるハイフンが入っている単語や、「une pomme de terre」(じゃがいも)、「un bonhomme」(坊や、やつ、男)のように複数の単語で1つの単語になるもののことです。

複数形を作るときに、どの部分が複数形になるのかが単語によって違います。

とてもややこしいので、ここでは合成語を4パターンに分けて、どんな時に複数形になるのかを解説していきたいと思います。



単語と単語の組み合わせとは

合成語もよく見てみると、色々な組み合わせがあります。

例えば、例に出した虹という意味の「un arc-en-ciel」は弓やアーチという意味の「un arc」と、空という意味の「un ciel」という単語が合わさってできています。これは「名詞 + 名詞」の合成語になります。

他にも、小銭入れという意味の「un porte-monaie」という合成語は、「持つ、抱える」という意味の「porter」という動詞と、「小銭」という意味の「une monnaie」という名詞でできています。これは、「動詞+ 名詞」の合成語です。

なぜこのように、合成語を分解してみたのかと言うと、基本的に名詞の部分が複数形になることが多いからです。

でも、全ての名詞が複数形になるとは限りません。ややこしいですね。


合成語の4つのパターン

上記の説明をもとに、単語(合成語)がどのパターンに当てはまるのかこれから見ていきます。

まだフランス語を始めたばかりで、よく分からなくても大丈夫です。

こういう考え方があるのかくらいの気持ちで、気楽に見ていってください。


名詞 + 名詞(名詞が2つ以上)
→ 中心となる名詞が複数形

複数形の「-s」を太字で示しておきます。

赤字はリエゾンです。


どちらの名詞が、その単語の中心になるのかを考えながら見てみてください。

  • un arc-en-cieldes arcs-en-ciel(虹)
    • un arc(弓、アーチ)、un ciel(空)
      → 虹は7本のアーチでできています。複数になるのは、アーチなのか空なのかどちらでしょう。
      リエゾンもします。
  • une pomme de terre des pommes de terre(じゃがいも)
    • une pomme(りんご)、une terre(土、大地)
      → 大地のりんご。複数になるのは、りんごなのか大地なのかどちらでしょう。
  • une station de servicedes stations de service(ガソリンスタンド)
    • une station(給油などの施設)、un service(サービス業務)
      → 複数になるのは、施設なのか、サービス(業務)なのかどちらでしょう。


形容詞(か同格の名詞) + 名詞
→ 全て複数形

  • un coffre-fortdes coffres-forts(金庫)
    • un coffre(【名詞】金庫…)、fort(e)(【形容詞】強い、頑丈な…)
  • un bonhommedes bonshommes(【話】男、やつ、坊や…)
    • bon(ne)(【形容詞】良い…)、un homme(【名詞】人間、男性)
      リエゾンもします。
  • un gentilhommedes gentilshommes(【古】貴族 = un / une noble)
    • gentil(le)(【形容詞・古】高貴な生まれの)、un homme(【名詞】人間、男性)
      リエゾンもします。
  • un grand-pèredes grands-pères(祖父)
    • grand(e)(【形容詞】大きい、年上の…)、un père(父)
  • un chou-fleur des choux-fleurs(カリフラワー)
    • un chou(【名詞】キャベツ)、une fleur(【名詞】花)


動詞 + 名詞
→ 名詞のみ複数形(複数形のない名詞は単数形)

名詞が複数形になるもの

  • un tire-bouchondes tire-bouchons(コルクの栓抜き)
    • tire : tirer(【動詞】引く…)、un bouchon(【名詞】コルク栓)
  • un ouvre-bouteilledes ouvre-bouteilles(ビールの栓抜き)
    • ouvre : ouvrir(【動詞】開ける…)、une bouteille(【名詞】瓶)
  • un ouvre-boîtedes ouvre-boîtes(缶切り)
    • ouvre : ouvrir(【動詞】開ける…)、une boîte(【名詞】箱、缶詰…)
  • un casse-tête des casse-têtes((ジグソー)パズル…)
    • casse : casser(【動詞】壊す、疲れさせる…)、une tête(【名詞】頭…)


名詞が複数形にならないもの

  • un porte-monnaiedes porte-monnaie(小銭入れ)
    • porte : porter(【動詞】持つ、抱える…)、une monnaie(【名詞】小銭)

※ une monnaie(小銭)に複数形はありません。
なので、「小銭持ってるよ。」と言いたいときには、複数形ではなく、部分冠詞を使います。
❌ J’ai des monnaies.
⭕️ J’ai de la monnaie.(部分冠詞)

名詞がもともと複数形のもの(単複同形)

  • un sèche-cheveuxdes sèche-cheveux(ドライヤー)
    • sèche : sécher(【動詞】乾かす)、des cheveux(【名詞】髪の毛)

※ 髪の毛は1本ではないので、もともと複数形になっています。
un cheveu → des cheveux

名詞なし
→ 複数形にならない(単複同形)

  • un laissez-passerdes laissez-passer(通行許可書)
    • laissez : laisser(【動詞】〜させておく…)、passer(【動詞】通る…)
  • un on-dit des on-dit(うわさ)
    • on(不特定の人を指して「ある人」)、dit : dire(【動詞】言う…)
      リエゾンもします。
  • un savoir-vivredes savoir-vivre(礼儀作法、マナー)
    • savoir(【動詞】〜する術を心得ている…)、vivre(【動詞】生きる…)


まとめ

合成語の複数形は少し複雑です。

まだフランス語初心者の方で、よくわからなかったら、飛ばしても大丈夫です。

何と何の単語が組み合わさっているのか。それは名詞なのか形容詞なのか、それとも動詞なのかが見分けられるようになってくると、複数形のルールも理解しやすくなると思います。

動詞部分の形は変わりません

名詞と形容詞の組み合わせの場合は、両方が複数形になります。

名詞と動詞の組み合わせの場合は、名詞のみ複数形になります。

名詞と名詞の組み合わせの場合は、その単語のメインとなる名詞のみ複数形になります。




基本的な名詞の複数形の作り方は、こちらで説明しています。




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